慶應義塾大学奥田敦教授による講演がありました.。大学でのイスラーム研究や研究室の様子と昨今の日本における「ハラール」を取り巻く現状について事例とともにお話いただきました。その後、第2世代の子どもたちを前に、イスラームの大切さを質疑応答を交えながら熱く語っていただきました。

日時:2014年2月27日(木)15:30~19:00
場所:名古屋モスク2階

DSC_0143第1部  対象:ムスリマ
・昨今の日本のハラール認証をめぐるビジネスは乱立状態である。私のところにも様々な機関から話を聞きにくるが、イスラームを全く理解していない人々もお金儲けになると知って手を出している。
特に食品に関するハラールは関心が高くなりがちだが、イスラームの基本は六信五行であり、ムスリム自身がしっかりイスラームを勉強し、金儲け主義のハラールビジネスに踊らされないように気をつけるべきである。
・すべての物事はアッラーが作られたもの。そのため学問とは、そのアッラーの英知を人間が解き明かすことである。そのため私のゼミでは学科名などにとらわれず、何を研究しても良いことになっている。
・新たな発見や成果が見られた時は、研究者の頭が良いからではなく、アッラーからの気づきを与えられたと思うべきである。

研究者かつムスリムであるというお立場から、示唆に富んだ様々な分野のお話を伺うことができました。

DSC_0161第2部 対象:第2世代の子どもたち
・研究していく中で、世界を救えるのはイスラームしかないと思ってムスリムになった。自分は39歳でムスリムになったが、若い君たちはこれからだ。たまたまムスリムが少ない日本に生まれ、周りから変なやつと思われることもあるかもしれないが、全くそんなことはない。世界を救えるのはムスリムであり、君たちなんだ。
・天使について。例えば財布を落として誰かが見つけてくれた時。ラッキー、とただ思うのではなく、天使がそう仕向けてくれたと自分は思うようにしている。そういう気持ちでみると天使はどこにでもたくさんいるよ。
・ある子供の質問『殺し合いをしている人たちがイスラーム過激派といってニュースになるが、イスラームではないことをやっていて悲しい。先生はどう思いますか?』
教授の回答『あれはイスラームじゃない。彼らは勉強が足りずいろいろなことを知らないので自分たちだけが正しいと思い込んでいる。日本にいればいろいろなことを見ることできる。勉強はだから大事だ。君たちにはたくさんのことを勉強してほしい。また君が周りの人と良い関係を作っていくことで、ニュースで見るイスラーム教徒とは違う、と分かってもらえる。君が荒っぽいことをすればイスラームはそういうものと思われてしまうので責任がある。メディアはお金儲けのためなのでうそ。 それより確かなものは身近な人間関係。良い人間関係を作ってください。』

他にもクルアーンを読むことの意義など様々なことを大変分かりやすくそしてとても熱く、子どもたちに向けて話してくださいました。聞いている時の子どもたちの真剣な表情と終わった後の嬉しそうな顔が印象的でした。

子どもたちの感想
・ムスリムであることが僕の一番の悩みでしたが、奥田先生の話を聞いて今はムスリムであることが誇らしいです!(小6男子)
・天使がどこにでもいっぱいいるという話がとても良かったです。(中2男子)
・とても分かりやすくて面白かったです。来られなかった子達が聞けなくてかわいそう。(中1女子)
・話を聞いてからより日頃からアッラーのことを意識するようになった。(中2男子)