イスラーム暦における新しい年を迎えました。一年の始まりのムハッラム月(1月)は「アッラーの月」と言われ、断食が奨励されます。
特にヤウム・アル=アーシュラー(10日)は特別な日で、かつての預言者たちにも深い関わりがあります。例えば、アッラーがアーダム(アダム)の悔い改めを受け入れ、ヌーフ(ノア)とその民が方舟に乗って生き延び、イブラーヒーム(アブラハム)が投げ込まれた火から助け出され、ムーサー(モーセ)に十戒が授けられ、アイユーブ(ヨブ)の病が癒え、ユースフ(ヨセフ)が父ヤークーブ(ヤコブ)のもとに戻り、ユーヌス(ヨナ)が魚の腹から脱出し、ダーウード(ダビデ)が赦され、スレイマーン(ソロモン)が国を復興し、イーサー(イエス)が天に召されたのがこの日だと言われます。
またこの日は、ユダヤ人の出エジプトの際に、アッラーが海を分けてファラオの軍勢を溺死させた日でもあり、ムーサーが感謝の断食を行ったように、ユダヤ人達もこの日に断食を行いました。それをご覧になった預言者ムハンマドさま(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は、こう言われました。「われわれこそ(それをするのに)よりふさわしい。われわれはあなたがた以上にムーサーとの関係は密接です。」そしてご自身もその日の断食を行われ、人々にもお命じになりました。
今年のヤウム・アル=アーシュラーは10月11日でした。ラマダン月同様、断食明けの食事がモスクから提供されました。この日断食をした皆さまの、前年の罪が赦されますように。
【預言者ムハンマドさま(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は、アーシューラーの日の断食についてこう言われました。「それは前年の罪をあがなうものです。」】ムスリム伝承
【預言者ムハンマドさま(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は、こう言われました。「ラマダーン月に次いで良い断食はアッラーの月、ムハッラムのそれです。」】ムスリム伝承