NHK名古屋放送局による「ほっとイブニング」(11月5日放送)の取材がありました。<日本で暮らすイスラム教徒~IS事件への戸惑い~>というテーマで、10名の中高生ムスリムがアンケートに回答、6名が撮影に協力しました。以下にその様子をお知らせします。DSC_1885

撮影に協力してくれた中高生は1時間にわたっていろいろな思いを吐露してくれました。残念ながらそのすべてが放送されることはありませんでしたが、以下のコメントが取り上げられました。

・中3女子:学校でISの件が出たときに「(お前もISに)関わっているから俺たち殺されちゃう」みたいなことを言って、たぶんからかっているのはわかるんですけど、わかっていてもやっぱり人間傷つくし。
・中2男子:「お父さんISと通じてないの?」とか言われたりして、それですごく傷ついて、そこからけっこう(ムスリムであることを)隠していて。
・高1男子:(ISは)イスラームっていう名前を使っているんで、僕たちからしたらすごい迷惑な存在で。
・高1男子:「イスラム国って聞かれてどう思う」って言われて、その質問にちょっと怒りとショックとか悲しみとか、その人に対してじゃないですけど、聞かれたこと自体がショックだったっていうのはあります」
中2女子:例えば、「なんで(スカーフを)巻いてるの」って聞いてきて、宗教だからって言ったら笑ってくるし、また何か聞いてくるし。
・中3男子:宗教で見るんじゃなくて人として見てほしいなと思いました。

中高生インタビュー02 NHK2また、アンケートには次のような質問がありました。
・日本で暮らす中でイスラム教に対する「偏見」や「誤解」を感じたことはありますか。
―「何度もある」「多少ある」を合わせると、半数以上が「偏見」や「誤解」を感じたことがあると答えていました。具体的には、街で知らない人に「死ね」とか「消えろ」と言われたことや、スカーフを巻いていると変な視線を感じたりISと思われたりすること、「イスラム教の啓典に人を殺すことは許されると書かれている」と言われたなどの事例が挙がりました。
・日本人に対して「もっとこうしてほしい」という希望はありますか。
―「イスラームは怖いという偏見を持ってほしくない」「差別しないでほしい」「宗教をバカにしないでほしい」などの他、「ISをどう思うかという質問をしてほしくない」という記述は複数ありました。
そしてほぼすべての回答に、イスラームを理解をしてほしいという記述が見られました。「理解をしていないのにステレオタイプのまま意見を言わないでほしい」「まず文句を言う前に調べたりして知ってほしい」「ムスリムと触れ合ったりする等して本当のイスラムを知ってほしい」「とにかく理解してほしい、みんなと同じ普通の人間なので。傷つきます」など。
友達だけでなく先生からも理解のない扱いを受けている事例もいくつかあげられ、思った以上に子どもたちが学校生活を送るうえでつらい思いをしていることがわかりました。

話しにくいテーマにも関わらず、勇気をだして発信してくれた中高生のみなさんのおかげで、視聴した人の心に何かを届けれられたと思います、お疲れさまでした。また、番組終了後すぐに励ましの電話やメールをモスクにお寄せくださった方々、ありがとうございました。

※名古屋モスクでは、子どもたちがムスリムであることに自信を持てるよう、同世代の仲間作りを応援しています。中高生ムスリムのプログラムやイベントにまだ参加したことのない子どもたちに、ぜひモスクをご紹介ください。
<中高生向けのスケジュール>
・中高生お茶会  毎月第1土曜日5時~6時 コミュニティルームにて
・中高生スペース 毎月第2・3・4土曜日5時~6時 コミュニティルームにて
・講演やピクニックなどのイベント 不定期に行います