(以下に記事の一部を引用)
160408朝日新聞 「海のものは大丈夫です」。そう応じたのは「伊勢鳥羽志摩インバウンド協議会」事務局の岩崎織江さん。昨年末、ムスリムの受け入れ意欲が高い地域として観光庁の受入促進事業に選ばれた鳥羽市を始め、隣接する伊勢、志摩の計3市などで構成する団体だ。ホテルや飲食店を回り、ムスリムの受け入れを呼びかけている。
 この日、訪問したホテルでは、宗教の戒律と食生活の関係などを説明し、「アルコール無添加のしょうゆやみそがあり、みりんは氷砂糖で代用できます」などと助言。(中略) 「ノーポーク(豚肉)・ノーアルコール(酒)から始めるのが現実的」と話す。名古屋モスク(名古屋市中村区)によると、受け入れ側が最低限守るべきは「豚肉とその加工品を提供しないこと」だという。
 2月末、名古屋市内であった商談会に、日本の観光関係者と、訪日ツアーを手がけるインドネシアの旅行会社が参加した。「インドネシア人は柔軟な考えを持っている。豚肉さえ提供しなければいい」。そう話すレナト・ジュアンダさん(39)は「日本でムスリムは少数派。観光客は食事や礼拝施設の面で不自由さがあると理解している」とし、自国の観光客の意識を説明していた。別の観光会社に勤めるエリザベス・マルヤティさん(39)は、ご当地グルメを味わいたいという客が増えているとして、「各自で判断しやすいよう原材料の表示が増えてほしい」と話した。
(志村英司、佐藤英彬)