2015年3月28日(土)
慶應義塾大学奥田敦教授をモスクにお招きして、中高生の子どもたちに講演していただきました。
以下にその様子をお知らせします。
時間:アスル後~17時
場所:名古屋モスク3階礼拝室
参加者:男子12名 女子6名 大人約30名(2階の聴講者含めて)
・アッラーは最初の存在であり最後の存在でもあり、また私たちの外側にも内側にもいる。アッラーが全てのものを創ったのだから、全てを知っている。そして全てのものはアッラーのしるし。
だから、イスラームというディーン(宗教)は何よりも広い受け皿を持つ。
・イスラーム社会の理想は礼拝に集約される。イマームの後ろに、皆が平等に並んで同じ動作を行う。そこに秩序があり調和があり統一がある。
中東には今このような秩序がない。自分のことだけを考えていてはいけない。自分のやっていることが審判の日に裁かれることを知るべき。
・自分が一生懸命やっていることが親や先生に認めてもらえなくても、ムスリムはめげない。最後の審判でアッラーに認められることを知っているから。
ムスリムは、死んだら自分がどこへ行くか知っているから、死ぬことが怖くない。忍耐は天国へ行くためのプラスポイントになる。
・イスラーム(五行)は身体の問題、イーマーン(六信)は心の問題、それらを超えたところにあるのがイフサーン(善行)。これら3つがそろって初めてイスラームと言える。
毎日毎日、瞬間瞬間、アッラーが見ていることを考えながら生きていくことが大事。
アッラーは見えないが、アッラーのアーヤ(しるし)はそこら中にある。あたかもアッラーが私たちの目の前に座っているかのように、善い行いをしよう。
・お祈りだけすればそれでいいということではない。何に対して祈るのか、心からわかっていることが大切だ。わからないまま祈っていると、形だけで満足してしまう。だから、クルアーンを読んで勉強しよう。
世の中には、クルアーンを知らない人、クルアーンを読むべきなのに読まない人、クルアーンの一部分だけを読んでジハード(戦い)に行く人がいる。ジハードより親孝行の方が大切。親を悲しませることが一番いけない。まずは自分の周りを幸せにすることを考えよう。
・罪のない人を殺すのはジハードではない。
今の時代のジハードは、よい言葉とよい態度でイスラームを伝える努力のこと。あるいは暴君の前で真理の言葉、正義の言葉を発すること。武器をとって戦うことではない。なにしろ私たちの生きている世界は、ジャーヒリーヤ(無知)的な状況なのだから。
・今は世界中がジャーヒリーヤの状態。イスラームが下される前の時代のジャーヒリーヤよりひどい。ムスリムがいるのにジャーヒリーヤ的な状況だから。
私たちの中には、100%悪魔はいないし100%天使もいない。良いことも悪いこともする自分をわかりつつ、すごく天使的なことをする部分を上手にひきだしていけばいい。
良い魂の栄養は、良い魂。ムスリムばかりにこだわらず、良い魂を持つ人と一緒にいるといい。
日本に住んでいるのだから、大きく構えて、ジャーヒルな世の中にイスラームの光を投げかけるよう精いっぱい努力しよう。
※マグリブ後も先生にお話を聞きたい子どもたちが、事務所に集まりました。
時間:マグリブ後~19時
場所:名古屋モスク1階事務所
参加者:男子9名 女子2名 大人3名
・いろいろな知識も大切だけど、生きる上で何が大切か考えよう。
つまらないことを100知っているより、役に立つことを1つ知っている方がいい。
・最後の審判の日まではやり直しが効く。目標に向かって無理せず徐々にやればいい。
そこで忘れちゃいけないのが「ラーイラーハイッラッラー」!
・敬虔さをアピールする信徒をムハンマドは否定した。大事なのはバランス。だから、クルアーンとスンナの勉強が大事。
アラビア語を勉強して、自分でクルアーンを読んで、自分で考えよう。
※講演後に奥田先生よりいただいたメッセージを引用します。
「子供たちには、長かったり、難しかったりでちょっとたいへんだったかもしれませんが、静かによく聞いていてくれたと思います。助けられました。
それにしても、実にお行儀のよい子供たちでした。これはお母さま方の努力のたまものですよね。
アルハムドゥリッラー、ありがとうございました。 」