2016年2月22日(月)~24日(水)
岐阜県内観光関連事業者さま向けのムスリム観光客受け入れセミナーにご協力しました。以下のとおりご報告いたします。

日程:22日恵那会場、23日下呂会場、高山会場、24日岐阜会場
主催:岐阜県(高山会場に関しては、高山市・白川村共催、中部運輸局後援)
講師:名古屋モスクおよび岐阜県観光レップ「マックエイトジャパン」代表

160223-2名古屋モスクからは、イスラームの教義と慣習をご紹介して、ムスリムのニーズに合わせた無理のない自然体でのおもてなしをお願いしました。岐阜県レップの方は、マレーシアからの最新旅行動向について実例を交えてお話され、ムスリム受け入れが難しくないことを強調されていました。

いずれの会場においても、宿泊施設・飲食店・自治体・観光協会の関係者さま方が大勢お集まりくださって、ムスリム受け入れについての関心の高さを感じました。ただ、一部の偏った情報に不安を感じハードルを上げてしまっている方々も少なくなく、かなり厳しい見解に基づいたご質問も出ました(ムスリムに提供する料理の皿にはラップを敷いた方がいいのか、他の料理に使用した鍋は洗ってももう使えないのかなど)。
多様な見解があること、一番厳しい見解に合わせた対応が継続性に影響を与えること、簡単にできることからお取組みいただきたいということを、奇しくも講師二人が揃って訴える結果となりました。ムスリムの立場からも実際の旅行者・旅行業者から得られた経験をお持ちの立場からも、ハラール対応よりムスリム自身が判断できるような情報の提供が優先事項であるという趣旨においては全く同意見でした。

高山会場においては、「ハラール認証にとらわれないおもてなし」をテーマに、実際に取り組んでいらっしゃる方々を交えてのパネルディスカッションが併せて開催されました。
パネリストは、アルコールフリーの蕎麦を提供される「飛騨そば小船」代表、ノーポーク・ノーアルコールのラーメンを提供される「伝真」料理長、ハラールチキンを使用した懐石料理を提供される「旅館田邊」料理長。
そばに塩をつけて食べたりコンビニのおにぎりを食べているムスリム旅行者を見て、高山で食を楽しんでもらいたいという思いから、みりんや鶏がらスープを使用しないお料理の開発に取り組まれたそうです。味を落とさないためのご苦労についてのお話もありましたが、それよりもムスリム旅行者が喜んでくれることが嬉しいと語るお三方の自信に満ちた笑顔が印象的でした。
(休憩時間には、ラーメンスープやそばつゆの試飲も行われ、賑わっていました)

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岐阜県高山市および白川村は、訪日ムスリム受け入れにおいて観光庁の補助事業地として選定されました。中部地域でこうした取り組みが進んでいくことは、訪日ムスリムだけでなく在日ムスリムにとっても朗報です。一軒でも多くの観光関連事業者さまが、ハードルは高くないことに気づいてくださって自然体でムスリムを受け入れてくださるよう、こうした事業者さまがたを応援していきたいと思います。

<2016年2月29日追加>
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