名古屋モスクには、 SYM(Space for Young Muslims )というヤングムスリムの集まるスペースがあります。ヤングムスリムの企画によるイベントがありましたのでご報告します。
「ねえねえ、先輩! びすみっらー 第一回」
日時:12月5日(土)5時半~6時半
場所:名古屋モスク4階礼拝室
参加者: ヤングムスリム14名
少しだけ人生経験豊富な先輩ムスリムをゲストに呼んで、フリートークを楽しむこの企画、第一回目のゲストはクレシ愛民先輩、「Olive」の共同創設者です。ヤングムスリムからのさまざまな質問に、気さくに答えてくれました。
※ 「Olive」 についてはこちら
交わされた会話の一部を紹介します。
ヤングムスリム(以下Y): いろんなフェーズで違った生き方をしてきた中で、どんな気持ちだったか?
先輩(以下S): たとえば高校の頃すごく大事にしていたことって、その時はそれが世界のすべてだったんだけど、今になると、世界が実際はあまりにも広くてもっといろんなことができ、いろんな楽しみがあることが分かった。 人生が何かっていうのは、その時々のライフステージによって、どんどん変わってくる。とりあえず常に、何が一番いい生き方なんだろうって考えて生きることが大事なのかも。それは、自分だけで考えるのはすごく難しいから、少し年上の人達に相談したり、自分より経験ある人に聞きながら、一番いい生き方を常にしていれば、とてもいいところにいくはず。今何ができるのかにフォーカスして、ただ考えるだけじゃなく実際に行動に移すと、後悔が少ないことになる。 あと、自分の今置かれた状況に感謝することが大事。何かに感謝しているとそれがもっと降ってくるっていう方程式がある。 逆に感謝しないと、それを取り除かれてしまうという方程式もあるから、気を付けなければいけない。今置かれている状況に感謝をして次のステップは何だろうっていうのをみんなと相談しながら考えていくとよい生き方になる気がする。
Y: 中高生がいろんな人に会いに行くのは難しいのでは?
S: 確かに難しさもあるかもしれない。でも、実は全然頼れる人もいる。自分が信頼できる人、できればイスラームの基盤がある人がいい。家庭や友情関係によっては、それが親や友人かもしれない。また、日本人でイスラームの知識もある人たちにも、SNSを通して相談できたりもするから、そういう宝箱をどんどん開けて取っていかないともったいない。イスラームは透明な川のようなもので、その川が流れる土地の石の色や土の色によって、違う色に見える。イスラームは本質的にはクリアで美しいものだが、それぞれの土地の色を取っていくもの。日本の場合には日本のパターンのムスリムの生き方ができつつある。それが何かを知っているのはクリアな水と濁った水を見分けられる人達、それは水の特性を常に勉強している人達。そういう勉強を何年かしてきた人達は日本にもいっぱいいる。「日本の場合はどうしましょう」っていう質問をすれば、日本的な回答をしてくれる。
Y: ヒジャーブをつけたいけどどのタイミングでつければいいのかわからないし踏み出せない という子へのアドバイスは?
S: 具体的なつけ方やタイミングについては、あまり男性の僕は語れないけれど、その子はヒジャーブを被ることがとても素敵なことだと分かっていて、被ろうと努力している。僕からひとつ言えるのは、その子の心の中は、誰が知らなくてもアッラーは知っているってこと。ヒジャーブを被りたい、でも難しいって思うジハードは絶対アッラーが見てくれている。自分のできる範囲でできることをできるスピードでできる形で、少しずつ自分をより高いレベルにもっていくのが大事だと思う。
以下は参加したヤングムスリムからの感想です。
・めっちゃためになったと思うし、とても話が分かりやすかった。(中3男子)
・将来とか卒業後とかのことに不安があるのは私だけじゃないんだなって安心した!( 高1女子)
・ 上の世代と下の世代のヤングを繋げるイベントでした。中高生からの「生きるってなに?」という漠然とした質問に正面から向き合って答えていた姿が印象的でした。先輩から沢山のアドバイスをもらい、とても有意義な時間を過ごせました。( 大1男子)
・難しい話もあったけど愛民先輩が分かりやすく話してたからよかった。( 高1男子)
・人生の先輩から貴重なお話が聞けて、とても収穫の多い時間でした。多感な時期にいる中高生から、深い質問が飛んできたのに対して、すごく丁寧に答えてくれる愛民さんの姿とその内容が印象的でした。その場にいた誰もが多くのことを学べた、とても良い機会だったと思います。定期的にこうやって先輩から話を聞けたらと思います!( 院1女子)